[資料 No.2]

文献解説表

標題

エノキタケ抽出物(キトグルカン)含有茶飲料の健常人に対する過剰摂取による安全性の検討


著者

堀 祐輔、宮澤 啓介、清水 隆麿、佐野 元春、渡邉 泰雄


掲載

東京医科大学雑誌, 67(1),52-59(2009)


要旨

エノキタケ抽出物含有茶飲料の安全性を検証するために1日摂取目安量(エノキタケ抽出物400mg)の3倍量を4週間連続摂取させる過剰摂取試験を実施した。
試験はオープン試験で行い、対象となる被験者は、20歳以上60歳以下の日本人男女で、BMIが25以上の者12名、25未満の者12名の計24名(男性:13名、女性:11名)とした。
その結果、全被験者において、試験期間を通じ、体構造測定(身体測定)、血圧測定、脈拍測定、血液検査の測定値は、基準値の範囲内であり、有意な変化は認められなかった。すなわち、摂取目安量の3倍量を長期連続摂取した場合においても臨床的に問題となる重篤な胃腸障害、有害事象および生理的異常は認められなかった。
これらの結果から、本試験における摂取量、投与期間においては、エノキタケ含有茶飲料は安全性に問題の無い健康機能食品であることが示唆された。


目的

エノキタケ抽出物の1日摂取目安量(400mg)の3倍量(1200mg)を含む茶飲料(350mL)を被験者に4週間連続摂取させることで、過剰摂取における安全性を検討する。


具体的手法

•  1日摂取目安量の3倍量のエノキタケ抽出物を添加した茶飲料を、1日1回、食前又は食事と共に摂取させた。
•  通常の食習慣、運動および日常の生活習慣を変えることのないように指導した。
•  測定値の比較は、摂取開始時の値を基準としてANOVAにて等分散性を確認後、Tukeyの多重比較検定を行った。いずれも有意水準は両側5%で検定した(株式会社SPSS製 SPSS Ver.10を使用)。


結果の要約

対象例数摂取量・期間結果
20歳以上60歳以下の日本人男女○24名

BMI25以上の者:12名

BMI25未満の者:12名 
○摂取量
エノキタケ抽出物1200mgを含有する緑茶350mLを1日1本

○摂取期間
4週間
○体構造および血圧、心拍
いずれの項目においても摂取前と比較して有意な変動は認められなかった。また、個々の被験者においても臨床的に問題となる変動あるいは一定の変動傾向は認められなかった。

○血液学検査、血液生化学検査
いずれの項目においても摂取前と比較して有意な差は認められなかった。また、個々の被験者においても臨床的に問題となる変動は認められなかった。

○有害事象および診察所見
試験飲料との因果関係を否定できない有害事象に該当する軟便が1例に認められた。原因は不明だが、摂取期間中の数日で症状が回復したこと、脱水症状は無いことから、普段より飲水量が増加したためと考えられ、医師により臨床的には問題がないものと判断された。

対象

20歳以上60歳以下の日本人男女

例数

○24名
BMI25以上の者:12名
BMI25未満の者:12名

摂取量・期間

○摂取量
エノキタケ抽出物1200mgを含有する緑茶350mLを1日1本
○摂取期間
4週間

結果

○体構造および血圧、心拍
いずれの項目においても摂取前と比較して有意な変動は認められなかった。また、個々の被験者においても臨床的に問題となる変動あるいは一定の変動傾向は認められなかった。

○血液学検査、血液生化学検査
いずれの項目においても摂取前と比較して有意な差は認められなかった。また、個々の被験者においても臨床的に問題となる変動は認められなかった。

○有害事象および診察所見
試験飲料との因果関係を否定できない有害事象に該当する軟便が1例に認められた。原因は不明だが、摂取期間中の数日で症状が回復したこと、脱水症状は無いことから、普段より飲水量が増加したためと考えられ、医師により臨床的には問題がないものと判断された。


まとめ

1日摂取量の3倍量のエノキタケ抽出物含有茶飲料を4週間連続摂取した場合でも、健康上の問題が生じる可能性は低いと考えられた。
また、臨床上問題となるような有害事象は認められなかったことから、本試験飲料は安全性の面で問題の無い健康機能食品であることが示唆された。