[資料 No.12]

文献解説表

標題

老人保健施設における『排便』問題の『シャンピニオンエキス』による解決


著者

今氏瑠璃子ら


掲載

ジャパンフードサイエンス Vol.41 3月号 2002年


要旨

老人保健施設における老人の排便問題に対するシャンピニオンエキスの効果を検討した。即ち、老人保健施設の老人24名(主年齢70~80歳代)を対象として、シャンピニオンエキスを配合したシャンピニオンエキス300mg配合ゼリー菓子(以下、ゼリー菓子)を30日間摂取させ、便の性状とそれに随伴するクオリティーオブライフ(生活の満足度、以下QOL)に与える影響をゼリー菓子摂取前と比較し、検討した。その結果、ゼリー菓子は便臭及びQOLを著明に改善した。シャンピニオンエキスは老人保健施設における老人の排便問題のひとつである便臭を解決し、QOLを向上させる食品として積極的に摂取されて良い食品と言える。


目的

老人保健施設における排便問題に関して、シャンピニオンエキスの効果を検討する。


具体的手法

対象老人に、シャンピニオンエキス300mg配合ゼリー菓子を一定期間摂取させ、(a)便臭、(b)便色、(c)便の形状及び(d)QOLを摂取前と比較した。


結果の要約

対象例数摂取量・期間結果
老人保健施設の老人 (主年齢70~80歳代)24名・シャンピニオンエキス
300mg配合ゼリー菓子(容量約55mL)
・30日間摂取
ゼリー菓子摂取前と摂取2週後あるいは4週後を比較・評価した。

(a)便臭:4段階評価((1)殆ど気にならない(2)普通の臭さ(3)普通より臭い(4)ひどく臭い)及び2段階評価((1)臭い(2)臭くない)について、摂取2週間後では改善、摂取4週間後ではさらに改善された。

(b)便色:3段階評価((1)黄褐色(2)茶褐色(3)暗褐色) について、摂取2週間後では改善、摂取4週間後ではさらに改善された。

(c)便の形状:便の状態((1)半練状態(2)バナナ状便(3)バナナ~カチカチ状便(4)カチカチ状便(5)泥状便(6)水様便)を基にした2段階評価((3)~(5)良くない形状便(1)~(2)良い形状便)について、摂取4週間後ではほぼ同じであった。

(d)QOL:「食欲」、「気分」、「睡眠」各項目の5段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともにほぼ同じ傾向で推移した。「便の状態」、「お腹の調子」、「生活状況」各項目の5段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともに改善が認められた。「総合的なQOL」の顔表情による10段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともに改善が認められ、10段階を2段階にまとめて評価すると、摂取2週間後、摂取4週間後ともに向上が認められた。

対象

老人保健施設の老人 (主年齢70~80歳代)

例数

24名

摂取量・期間

・シャンピニオンエキス
300mg配合ゼリー菓子(容量約55mL)
・30日間摂取

結果

ゼリー菓子摂取前と摂取2週後あるいは4週後を比較・評価した。

(a)便臭:4段階評価((1)殆ど気にならない(2)普通の臭さ(3)普通より臭い(4)ひどく臭い)及び2段階評価((1)臭い(2)臭くない)について、摂取2週間後では改善、摂取4週間後ではさらに改善された。

(b)便色:3段階評価((1)黄褐色(2)茶褐色(3)暗褐色) について、摂取2週間後では改善、摂取4週間後ではさらに改善された。

(c)便の形状:便の状態((1)半練状態(2)バナナ状便(3)バナナ~カチカチ状便(4)カチカチ状便(5)泥状便(6)水様便)を基にした2段階評価((3)~(5)良くない形状便(1)~(2)良い形状便)について、摂取4週間後ではほぼ同じであった。

(d)QOL:「食欲」、「気分」、「睡眠」各項目の5段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともにほぼ同じ傾向で推移した。「便の状態」、「お腹の調子」、「生活状況」各項目の5段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともに改善が認められた。「総合的なQOL」の顔表情による10段階評価では、摂取2週間後、摂取4週間後ともに改善が認められ、10段階を2段階にまとめて評価すると、摂取2週間後、摂取4週間後ともに向上が認められた。


まとめ

シャンピニオンエキスは老人保健施設における老人の排便問題のひとつである便臭を解決し、QOLを向上させる食品として積極的に摂取されて良い食品と言える。