[資料 No.8]
文献解説表
標題
シャンピニオンエキスの腸内消臭と生理作用
著者
浜屋忠生
掲載
FOOD Style 21 1(5) 1997
要旨
有害物質を生成するウエルシュ菌や大腸菌などによって分解生成された腸内腐敗産物は、腸管から吸収され血液中に入り、口臭や体臭の原因となる。また、これらの物質は肝臓や腎臓障害などの原因ともなっている。したがって、腸内腐敗産物生成を抑制することは、口臭や体臭への配慮だけでなく、疾病予防や老化防止の面からも大変重要である。シャンピニオンエキスのこれら分解生成物に対する機能を調査する試験を行い、血中アンモニア減少、血中インドールとトリプタミン減少および慢性腎不全に対する効果を確認した。
目的
シャンピニオンエキスの腸内消臭効果とその生理作用および臨床例について紹介する。
具体的手法
・長期入院のお年寄りに対しシャンピニオンエキスを投与し、便臭抑制効果を調査した。
・家兎を用いて血中インドールとトリプタミンに対するシャンピニオンエキスの効果を調査した。
・食事療法を受けている慢性腎不全の患者に対するシャンピニオンエキスの腎不全進行の抑制効果を調査した。
結果の要約
まとめ
口臭や体臭などの不快臭、クレアチニンや窒素などの老廃物、血中アンモニア、アミン、インドール、メルカプタン、硫化水素などの化学物質は、臭気が不快感を与えるだけではなく、肝臓や腎臓障害などの引き金にもなっている。これらの血中濃度を顕著に下げ、不快臭の発生を防止する食品として摂取しながら効果のあるシャンピニオンエキスの機能は、健康的に生きていく体調づくりに貢献できるものと考えられる。